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1919年11月創立のキユーピー株式会社は、創始者の中島董一郎氏がイギリス、アメリカに実習生として滞在中ママレードやマヨネーズに出会い、1925年にマヨネーズを製造開始されました。現在は調味料、タマゴ、サラダ・惣菜、加工食品、ファインケミカル、物流システムの6事業を展開し、マヨネーズ、ドレッシングやパスタソースといったなじみのある商品以外にも、ベビーフードや流動食、介護食等、人のライフステージに沿った商品も提供。グループ会社にはママレードで有名なアヲハタ、物流のキユーソー流通システムをはじめ、デリア食品、ケイパック、ディスペンパックジャパン等幅広く展開されています。

今回、歴史ある大手食品メーカーが、GFSI承認規格取得に至った経緯と、複数工場で取得を実現した経緯を伺いました。

(GFSI日本ローカル・グループ コミュニケーションWG、以下GFSIKewpie2

はじめに御社の方針や品質に対する考えをお聞かせください。

(キユーピー株式会社 品質保証本部様、以下キユーピー)

創立当初から弊社では企業理念、社是社訓やめざす姿など、中島が残した言葉を大切な考え方、指針としています。例えば社訓の1つである「親を大切にすること」は、無償の愛情を注ぎ育ててくれた「最も身近な存在」である親を大切にすること、つまり、周りの働く仲間やお客様など身近な人間に感謝できる姿勢を意味しています。品質への考え方としては、「良い商品は良い原料からしか生まれない」等の言葉があります。

(GFSI) 御社では現在どのくらいGFSI承認規格を取得されているのでしょうか?

(キユーピー) 国内外にグループ全体で96工場あり、その中で、94工場(国内全82工場、海外12工場)がGFSI承認規格を取得しています。国内全82工場はFSSC 22000を取得。未取得の海外2工場は新工場のため、現在取得に向け準備を進めています。また、福島県にある野菜工場「TSファーム」はグローバルGAPを取得しており、官民連携のモデル事業にしたいと県から支援を受けながら運営しています。

(GFSI) 何をきっかけに、GFSI承認規格取得に取り組まれたのでしょうか?

(キユーピー) 世の中の動きとして、食の安全、国際標準対応という言葉がメディアで取り上げられ、目や耳に触れることが増えてきたことが挙げられます。併せてキユーピー単体だけでなく、キユーピーグループだから安心、長く付き合いたいと思ってもらえるようになりたいという想いがあり、グループとして推進してきました。

Kewpie3(GFSI) どのようにグループ内で取り組みを展開されたのでしょうか?

2010年頃、まずは1工場だけトライアルでFSSC 22000先行取得を試みようと取り組み始め、2012年にキユーピーの主要工場の1つである茨城県の五霞工場が、グループ内初の承認規格を取得しました。その後、2014年2月に社長がFSSC22000の全工場認証について語った記事が掲載されたことをきっかけに、他工場への展開を一気に加速することになりました。グループ全体で取得を進めることが大きく取り上げられ、それまで各社縦割りだった活動が、グループ全体の動きへと大きく変化していきました。ちょうど内外ともに分かりやすい「モノサシ」が必要と考えていた時期でもあり、タイミングが合ったことも前進に寄与しました。

(GFSI) GFSI承認規格取得の推進方法や、また展開する上で苦労されたこと、時間を割いて取り組んだことなどありますか?

(キユーピー) FSSC 22000導入前、各工場はISO 9001を取得していました。ですので、社内的には現状のままで良いのでは?との話や抵抗もありましたが、食品安全にも配慮した品質全体を包括するマネジメントシステム導入が必要との判断で前述の宣言となりました。

ただ、トップの決断だけで全てうまくいったわけではありません。まず、要求事項の言葉になじみがなく内容が理解できない工場が多発したのです。そこで、品質保証本部で分かりやすい言葉に置き換え説明会を実施しました。その際、監査対応に支障がでないよう、監査用語はできるだけそのままとしました。また、実践できているにもかかわらず、要求事項との紐付で頭を抱えてしまっている工場も多かったため、「自分たちはできているんだ」ということを強調し自信を持ってもらい、モチベーションを上げて取り組みました。

この他、取得に際しては製造に携わる生産部門の協力が不可欠ですが、各工場においてFSSC 22000専任メンバーを品質保証課のみから選出したことで、生産部門が他人事のように感じ、やらされ感につながってしまった事例がありました。この経験から、FSSC 22000専任メンバー選出の時点から、生産を巻き込んだ形で進めることの大切さを実感しました。

FSSC 22000取得までの期間ですが、ISO 9001未取得のサラダ・惣菜関連工場等はじっくり1.5年、ISO 9001取得済の工場は文章の作りこみメインで1年の2パターンを計画し、品質保証本部より案内して進めました。

 

 (GFSI)  GFSI認証規格を取得されて、どのような利点(メリット)を実感されていますか?Kewpie1

(キユーピー) 二者監査の監査項目の軽減や監査免除、認証取得に際し書類管理が構築されたこともあって、監査準備が不要になった等の効果が出ています。それに加え、工場全体に「食品安全」「変化点」を意識した活動が浸透していった声もあります。まだまだ理想とまでは行きませんが、共通言語化により、グループ間工場問わず食品安全に関する話ができ、レベル感が合ってきたことも大きなメリットです。我々が在籍する仙川キユーポートにはキユーピー単体の品質保証本部だけでなく、各関連会社の品質保証本部も全て集結しているため、今回のような共通の取り組みも実施しやすく、「お互いに学び合い、高めあう」グループ協働体制で活動できたと言えます。

今後、営業部門にも取得による効果の聞き取りを実施していきたいと考えています。

(GFSI) 今後の展開や課題もしくは、現在の取得状況をどのように活かしていくかなどをお聞かせください。

(キユーピー) 社内の目標は、グループ全工場でのGFSI承認規格取得です。それに加え、年々改定される要求事項への対応もあります。また、人が変わったとしても自動巻きでスパイラルアップできる品質保証体制の仕組みや土台作りをしたいと考えています。

他には、グループ全体で大きな費用となっている審査の有効活用についても検討しています。折角審査を受けるのであれば、いかに指摘を受けないかでなく、不適合に対して「ありがとうございました」と、指摘を受け入れ、より改善していく場にしていきたいと考えています。

社外については、原料メーカー等へのGFSI承認規格の推進を考えています。現在、第三者認証有無の確認はしていますが、取引の判断基準にはなっていないため、自社グループから輪を広げて関連企業へのアクションを起こしていけたらと考えています。

Kewpie4グループの垣根を越えた、国内外94工場のGFSI承認規格の取得、苦労を乗り越えながら計画的に進めたお話は、今後検討、もしくは他工場に展開しようとしている企業にとって、少なからず何かのヒントになるのではないでしょうか。

会社一丸となる活動には、まずトップの方針も大切ですが、現場への落とし込みや最後までやり遂げる原動力には仕事に関わるメンバー一人ひとりの理解が欠かせないということを実例とともに紹介頂いた、非常に参考になるお話でした。ありがとうございました。

  

【キユーピー株式会社ホームページ】 https://www.kewpie.co.jp

(本社)

〒150-0003 東京都渋谷区渋谷1-4-13 TEL:03-3486-3331

(仙川キユーポート ※品質保証本部の皆様 在籍)

〒182-0002 東京都調布市仙川町2-5-7 仙川キユーポートTEL:03-5384-7750


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本ブログはこちらの方にご執筆、ご寄稿いただきました:

白須 友里子氏

伊藤忠食品株式会社

職能本部 品質保証部 品質保証チーム

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