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開発途上国の農林水産業・食産業の発展に貢献するため、生産から加工、流通、消費に至るフード バリューチェーン(FVC)構築の重要性が指摘されています。 今回、農林水産省の補助事業として展開する「アフリカ等のフードバリューチェーン課題解決型市場開拓事業」に賛同し、プロジェクトを立ち上げたサラヤ株式会社様にその経緯、今後の活動方針をうかがいました。

GFSIジャパンローカルグループ・コミュニケーションWG -(以下、GFSI) まずはアフリカでのビジネススタートの背景と、農林水産省の補助事業に応募した経緯について、お聞かせください。

サラヤ株式会社様 -(以下、サラヤ) 私たちは60周年記念事業としてアフリカのユニセフの「ナショナルハンドウォッシングキャンペーン」に協賛し、チャリティプログラムとしてのCSR活動を始めました。そこから「社会課題の持続可能な解決方法」という社会活動事業を展開する決断をし、ウガンダで2011年に現地法人を立ち上げたことがアフリカでのビジネスのスタートです。
立ち上げから今まで、医療衛生を中心にJICAと共同で仕事を進めてきましたが、ウガンダの場合は公立病院等の公的機関との事業が中心になるため、国家予算との兼ね合いでビジネスのスピードが制限されていました。その中で、アフリカでは食品衛生の市場がゼロの状態であったため、現地法人の別の柱として食品衛生の仕事も始めたいと考え、応募に至りました。

(GFSI) 現状の課題は?

(サラヤ) ウガンダの一般市民の生活で食品衛生の観念はなく、食品保存の技術もないため、出来たての温かいものしか食べません。
また、ウガンダにおける唯一の輸出産物としてナイルパーチという淡水魚があり、加工してヨーロッパに輸出していますが、輸入国側の要求事項でHACCP認証が必須になっているため、大きなギャップがあるのが現状です。
せめて街中の中流以上の市民が食べるレストラン、モダントレードとしてのスーパーに並ぶような食品の衛生面を底上げしたく、自社の事業を推進したいと考えています。

photo: Man washing his hands

(GFSI) 本事業の目標は?

(サラヤ) 1年限りの事業になるため、コールドチェーンの確立、HACCPの確立までは到底行きつきません。現在はケニアの魚の収穫状況や流通等の「コールドチェーン実態調査」をしています。また、東京海洋大学と協力し、冷凍技術の開発やそれを応用した高付加価値の食品加工の研究も進めています。食品加工産業がないため、日本で進めている6次産業のような事業を兼ね合わせた食品加工産業の設立に貢献することで商機が生まれると考えています。長期的な話になるため、今年度の目標としては、ウガンダの日本食レストラン内のテストキッチンの衛生基準を、ごく一般的な日本のレストランのレベルにもっていくことです。まずは小規模における衛生管理の前提条件を満たすことを優先し、将来的にコールドチェーン構築やHACCP認証に近づけていければと考えています。

(GFSI) 現地の行政も関わりはどのようにお考えですか?

(サラヤ) 行政からも様々なプレイヤーが参画しているので、行政とともに取り組めたらと考えています。 また、レストランには行政の抜き打ち検査があり、場合によってはレストランが営業停止となる事例もありますが、何を基準に監査されているのかなど明確でない状況です。今後、現状の基準確認や、不足分の補強を行政とともに進めていくことができれば食品コンサルタントとして活動できるのではないかと考えています。

(GFSI) 将来的に目指したいところはありますか?

Yamasen team

(サラヤ) ほとんど輸出産品というものがないので、食品加工産業を広げていき、高付加価値加工商品の輸出を拡大していきたいです。ケニアは魚、ウガンダは国の方針として畜産振興があるため、漁協、農協から前向きな話を頂いています。その上で、HACCPが求められるため、最終は欧米レベルを目指すとしても、どのくらいのスケジュール感とステップで進めるかは行政とも相談し決定したいと考えています。

(GFSI) 各ステークホルダー(物流事業者、レストラン関係者、お客様等)における利点は?

(サラヤ) キッチンに製品や教育指導ノウハウを注ぎ込みショーケース化することで、日本レベルの衛生管理ができている東アフリカ初(ウガンダ初)のレストランとなります。そこに行政やレストランの従事者を招き、教育啓発のプラットフォームとして活用していけば、ウガンダの食品衛生や食品安全の底上げにつながると考えています。
その他、加工食品の開発が進んだ場合、店頭の土産販売、周りのレストランへの惣菜の販売、スーパーへの供給なども考えられ、そこにケニアの魚を組み合わせ、将来的には海辺での共同加工場の設立も検討しています。ケニアでは年間を通じて魚の確保が難しい状況であると同時に、魚食文化がないので、需要と供給の関係でまだ大きな国内市場はありませんが、今後は川下から川上に上りながらバリューチェーンづくりを考えています。

(GFSI) 今後のコールドチェーン構築及びその評価方法は?

(サラヤ) 日本食レストランに食材を必要な分だけ送り込むテスト輸送などはスタートしています。
ただ、コールドチェーン構築に必要な物量が現時点ではまだないため、共同配送などの実現といったビジネス構築の方が先になる可能性があります。

(GFSI)  貴重なお話ありがとうございました。

team

サラヤ東アフリカプロジェクト https://www.saraya.com/news/2017/112808.html

紹介ビデオ https://sdgs.saraya.com/

サラヤ株式会社ホームページ  https://www.saraya.com/ 
サラヤ株式会社: 大阪市東住吉区湯里2-2-8
Saraya Manufacturing (U) Ltd.: P.O. Box 23740, Kampala, Uganda Plot 6C, Seventh Street, SMS Plaza, Industrial Area, Kampala, Uganda


Yuriko Shirasu square文責:GFSI日本ローカル・グループ コミュニケーションWG

伊藤忠食品株式会社 管理本部 品質保証部 品質保証チーム 白須友里子