0

Read in English English (UK)

TransparencyOneBlog banner

2019年以降、食品業界は間違いなく大きく変貌するでしょう。「新たな課題と食品安全の未来」という今年の世界食品安全会議のテーマが、まさにそれを暗示しています。

今日のように変化が著しい時代に食品会社が成功を収めるには、市場をよく観察し、それに応じた発展を遂げる必要があります。昨今成長著しい消費者セグメントは、従来の世代とは異なる期待を抱いて市場に参入しています。 食料品店の陳列棚には、かつてなく多様な商品が並んでいます。企業の透明性は一般的になりつつあります。

新旧を問わず食品会社はこうした課題をどう乗り切ればよいでしょうか。また、今後どのような変化が予想され、現在および将来の課題にどう対処すればよいのでしょうか。

  1. 透明性を求める動き

今日食品会社には、透明性の向上に取り組むだけでなく、その透明性を証明することも求められています。商品が持続可能な方法で製造されているとか、責任をもって製造されているといった型どおりの声明だけでは、もはや消費者を満足させることはできません。そうした事実を証明する実際のデータが求められています。つまり、製品がどこで、どのように製造されたのかを知りたがっているのです。

ブランドや小売業者もそうした消費者の期待に応えようと、新たな業界基準の設定に取り組んでいます。ネスレ、ユニリーバ、マークス&スペンサーは、顧客により多くのデータを提供しようとサプライヤーのリストを公表しています。マース・フードのように、詳細な農場名やサステナビリティに関する情報を提供し、購入者とより深く関わろうとしているブランドもあります。透明性向上への取り組みが業界基準となる中、今後消費者は、食品会社が製品に関する更に詳細な情報を収集し、共有することを望むようになるでしょう。

食品会社は今すぐこうした課題に取り組むべきです。間接的なサプライヤーを特定し、英国の現代奴隷法に関する証明書を求めるなど、サプライチェーン可視化に向けたさらなる取り組みが必要です。透明性を達成している度合いにかかわらず、今こそ透明性の基準を引き上げるべきです。より高い基準を設定し満たしていれば、消費者がより多くの情報を求めてきても、その準備はもう整っているというわけです。

  1. 過ちは許されない
    TransparencyOneBlog pic1.png

昨年米国では、未表示のアレルゲンが原因の死亡事故や大腸菌感染症の発生など、食の安全を脅かすような出来事が多く見られました。 最新のテクノロジーのおかげで、こうした出来事をより効率的に特定し、そのニュースをより迅速に伝達することができるようになりました。 しかし、その結果、消費者は食の安全にかかわる出来事が増えているとも認識するようになるでしょう。延いては、消費者はそうした出来事を許容しなくなり、事件や事故の兆候がわずかに見られただけでも、問題になっているブランドや小売業者を見放すようになるでしょう。 食品会社に過ちは許されないのです。

ここで重要になってくるのが、迅速な対応です。 食の安全にかかわる問題が発生した場合、食品会社はまず問題の原因に対処しなくてはなりません。 サプライチェーンのリストを一次生産者に至るまで早急に確認し、迅速な危機対応に欠かせない情報の収集に努めましょう。第三者に頼ることなく、自らの手でサプライチェーンとその現状を把握しましょう。サプライチェーンの可視性が高い方が、コントロールをしやすくなります。

  1. 多様な先端テクノロジー

多様な先端テクノロジーにより、食品業界の安全性とサプライチェーンの透明性が向上し、食品業界は変貌するでしょう。 おそらくその最も有名な例が、ブロックチェーンでしょう。ブロックチェーンとは、データの保護、サプライチェーンの透明性の向上、さらにはサプライチェーンのパートナー間連携の促進を目的としています。 また、人工知能を用いれば、従来は人間が監視していた食の安全を確保するための作業を、より高い精度で自動化することが可能になります。さらには、サプライチェーンをデジタル化すれば、製品に関する詳細な情報を収集し、リスクを特定し、そしてコンプライアンスを効果的に管理することもできます。

先端テクノロジーの発展が続くと、食品業界は会社の目的達成のために、どのテクノロジーを導入するかという判断を下さなくてはなりません。 不適切なソリューションを導入したり、適切なソリューションでも不適切なタイミングで導入したりすれば、貴重な時間とリソースを無駄にすることになります。 そこで、投資利益率(ROI)を判断の指針とします。ブロックチェーンを効果的に活用できるくらい会社のサプライチェーンのことをよく知っていますか?人工知能の導入は、会社の目標達成に本当に役立ちますか?今後数年間で解決策が間違いなく増えていく中、食品会社は何を優先すべきかを十分に理解したうえで、正しい判断を下さなくてはなりません。

  1. 次世代(ミレニアル) の消費者
    TransparencyOneBlog pic2.png

代替タンパク質やオーツミルクから食品の定期購入や消費者への直接販売に至るまで、今日の食品業界はかつてなく多くの選択肢を消費者に提供しています。 さらに、消費者セグメントで急拡大を続けるミレニアル世代は、これまでの世代とは食品購入のスタイルが異なります。自分が購入する食品について詳細な情報を求め、また購入ブランドを容易に変える傾向があります。競争が激しく、発展を続ける食品市場で購入者の注目を集めるためには、消費者エンゲージメント戦略を最適化していく必要があります。

食品会社は、サプライチェーンの可視化に努めることで購入者との結びつきを深めることができます。また、サプライチェーンの透明性向上に取り組むことで、消費者が製品について知りたいこと――どこで製造されたのか? どのように製造されたのか? 倫理的に調達され、持続可能な方法で製造されたのか?などに答えることができるのです。 そうした取り組みは、あまたある食品の中で自社製品の差別化を図るのに有効なサステナビリティや社会的責任という目標の達成にも貢献するでしょう。サプライチェーンの更なる可視化で、ミレニアル世代の消費者の心を掴むのです。

食品業界で長く成功を収めるには、新たな課題を理解するだけでなく、その課題に対処する必要があります。 発展しつづける食品業界に適応するために、サプライチェーンの透明性向上に投資することは、決して容易なことではありませんが、今後数十年にわたって競争を生き抜くための礎となるでしょう。

 


TransparencyOneBlog author.png

本ブログはこちらの方にご執筆、ご寄稿いただきました。

KellyAnn Tsai氏
トランスパレンシー・ワン マーケティング・ディレクター