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2018年の食品安全に関する報道では、汚染された農産物が問題の原因として取り上げられました。大型休暇の直前に起こった北米のロメインレタスのリコールでは、店舗の棚は空となり、消費者は献立変更に慌てるという事態になり、金銭的な損失だけでなく消費者からの信頼も失われました。フードチェーンを守るには、洞察と行動、そしてパートナーシップが必要です。共に手を携え、確かなデータを集める新技術を導入し、最先端の研究や起業家精神を支援・協働することによって、食品安全を推進させることができます。私たちが一番に考えることは、サプライチェーン全体で農産物を守るために画期的な進歩を遂げることです。それは、業界のリーダーとしても、世界の消費者としても言えることです。

環境の変化に伴い、フードチェーンにひそむさまざま要因が顕在化してきました。たとえば、害虫は気候帯の変化に素早く適応しています。気温が上昇すると、昆虫と微生物の生息範囲は広がり、よくも悪くも作物の生育は影響を受けます。環境変化の影響を理解するには、学術研究への支援が非常に効果的です。最近、 エコラボ財団は、私が住むミネソタ州において環境持続可能性に関する研究と教育を支援するために、ミネソタ大学に寄付をしました。この基金で、環境リーダーシップの寄付講座と持続可能性に焦点を当てた幅広い科学研究に対する奨学金が設けられます。エコラボは、食品供給の安全性など重要な公衆衛生の課題にプラスの影響を与える学術研究の先行きに期待を寄せています。

産業全体として起業家精神を喚起することも同様に重要です。エコラボが誇るミネソタ州セントポールでのカーギルとの共同事業、TechStars Farm-to-Fork Accelerator(TechStars 「農場からフォークへ」アクセラレータ)をご紹介します。このユニークなビジネス・アクセラレータを通じて、エコラボは、食品産業向けの新たなデジタル技術の開発を進めるよう起業家に働きかけました。この起業機会は、資金だけでなく、メンターの指導と斬新なアイデアをもつエネルギッシュで才能あるチームとの出会いも提供しました。たとえば、HeavyConnectは、農作業の現場で使えるようなスマートでシンプルなバイリンガルのモバイル・アプリを開発しました。このアプリで、現場の人は、レポートを作成し、原材料の出所を追跡し、是正措置を記録することができます。2018年にTechStarsで起業したチームの成功は、未来への期待を高めました。エコラボは、食品業界向けの最高レベルの新規技術の開発を支援できることをうれしく思っています。

TechStarsの起業家たちのように、エコラボも、画期的なテクノロジーで食品サプライネットワーク全体に根本的なインパクトを与えることに根差した活動をしています。たとえば、現在、農産物加工プラントでは、センサー技術を用いてシステム内から水路用水を監視できます。リアルタイム・データで正確な対応を可能にしています。水路用水の化学成分が規格外となった場合、どの時点で発生したかを正確に把握することで、廃棄農産物と作業時間のロスを減らすことができます。すぐに使用可能なデータによって、現場の人は、正確な量の化学成分を、正確に漸増された状態で使用することができます。正確なデータレポートにアクセスできることで、加工プラントはいつでも監査や検査に対応できる状態が維持できるため、法規制の遵守が向上します。リアルタイム情報、オートメーションそしてレポーティングは、フードチェーンの安全性に重要な連携をもたらします。

ますますデータドリブンが進む状況において、小売業者の食品安全にもすばらしいテクノロジーを利用するチャンスがあります。新たなデータ収集と分析ツールのネットワークは、衛生基準の遵守と食品取扱の安全性に活用できる洞察をもたらします。信用できる正確な記録があれば、店舗の非効率な清掃や水資源や労力、エネルギー資源の無駄を減らすことができます。実用的なデータにより、収益性と持続可能性が向上されます。それだけでなく、小売店の顧客は、清潔な店舗ととても新鮮な農作物が棚に並ぶのを見て安心します。エコラボは、協働して具体的な課題解決に取組みにデータを用いるツールを開発することで、リスクの特定と課題解決を手助けします。知識を共有し協働すれば、私たちは皆、時代の先をいくことができます。

GFSIワーキンググループは、業界中で関心を同じくする仲間だけでなく競合相手とさえも、直接に協働関係を築けるすばらしい機会を提供しています。エコラボは、ごく最近、食品衛生における化学成分の役割について取り組む機会を与えられました。今年の世界食品安全会議では、エコラボのLudger Grunwald博士が、「微生物学の将来」というプレゼンテーションで、GFSIワーキンググループのこれまでの成果について発表します。このようなチームでの取組みにより、共に解決すべき課題を様々な角度から見通す深い洞察が得られます。エコラボは、協働してソリューションを見い出し、新たな化学成分と応用技術を探求します。もっと速く、もっと効率的に、働く人と消費者にとってもっと安全に、食品安全を向上させる方法を見つけます。研究者や起業家と協働し、自社と業界全体で研究を行い、安全でクリーンな農産物を市場に届けるためのイノベーションを進めます。関心を同じくする仲間が集まる世界食品安全会議のような場には、食品安全の課題と成果における新しい気づきと学びがあります。

顧客、起業家、食品サプライヤー、小売業者からミネソタ大学そしてGFSIにいたるパートナーシップと協働によって、農産物を守るため、私たちの歩みは大きく前進しつつあります。産業界のリーダー、またGFSIメンバーとして、サプライチェーンのすべてのタッチポイントにおける責任と機会があります。2019年世界食品安全会議から知識を得るだけでなく、なんらかの貢献ができることを心待ちにしています。GFSIは、共に新しいアイデアを生み出し、スマートデータとデータによるソリューションに磨きをかけ、世界中に新鮮で安全な農産物を届けることのできる健全なサプライチェーンを発展させることのできる場なのです。


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本ブログはこちらの方にご執筆、ご寄稿いただきました。

Nicholas J. Alfano(ニコラス・アルファノ氏)
エコラボ グローバル食品&飲料、エグゼクティブVP&ゼネラルマネジャー