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食品安全の向上は業界にとっての永遠の課題です。どうすれば建設的なモラルのある、食品安全文化に向けた好環境を組織内に作り出すことができるでしょうか。 

GFSIが設立された2000年、危機的な状況が続いた後に、「食品安全」への新たな旅が始まりました。当時はまだ食品会社の多くがこの課題を事業基盤の柱としてよりもコストの一項目として捉えていました。

残念なことですが、食品安全に関わる事件や事故が業界を啓発する強い追い風となりました。実際、私もあるファストフードチェーンで品質管理責任者として働いていたときに、こうした事件や事故を啓発材料として使い、それは効果がありました。事件や事故が引き起こした波乱にうまく「乗った」ときには、食品安全の予算にプラスの数字を書きこめることがあります。ただ、危機が終息すると日常通りとなり、リスクは忘れられ、啓発も振り出しの戻ることが通常です。臨時の研修セッションを開催したことは良かったのですが、「文化」を作るには不十分だったのです。

食品安全・品質管理責任者は、こうした問題に対する人々の意識の変化を促すために危機的な事件や劇的な出来事が起こることを待ってはいられません。文化は恐怖からは育ちません。人々の心を動かし、意識を高めるには、積極的なアプローチがより効果的で重要だと考えます。

「文化」は「人」によって成り立つものであり、トップダウンアプローチの中で確実に変化を起こす手腕こそが真の課題だと考えています。トップからの強い働きかけなくして、人々の行動の変化は期待できません。食品安全意識は、「顧客とブランドの保護」の一つとして、組織の公式目標を通じ各国、各部門そして社員一人ひとりへと裾野を広げて届くことが期待されます。このようにして、チームのメンバーはこの問題が会社の関心事項の最重要事項であると理解し、土台が築かれるのです。

さあ、旅の準備ができました。到達地点「食品安全文化の拡張」までのロードマップが必要です。チームメンバーは、3~5年のうちに達成すべきニーズについて、また、達成に至る方法について、明確なビジョンを持つ必要があります。

先日、私はある顧客と実際に「演習」をしました。この顧客は事業をグローバルレベルまで拡大し、15か国でフードサービスと小売業を経営しています。私たちは、3年以内にお客さまに安全で良質な体験を提供する最高水準のフードサービスブランドとなるための事業戦略の柱を一緒に書き出してみました。

柱1:グローバルな食品安全要求事項の整備

              ステップ1-現行のガイドラインと地域ごとの規制の間のギャップを分析

              ステップ2-店舗向けの食品安全ガイドラインの作成

              ステップ3-世界規模で実施している年次監査を地域のプログラムに適応

柱2:食品安全データのデジタル化

              ステップ1-監査報告書のデジタル化

              ステップ2-社内の食品安全記録のデジタル化

              ステップ3-地域レベルとグローバルレベルの食品安全管理の負担を軽減する統合ダッシュボードの構築

柱3:食品安全ネットワークの構築とアニメーション制作

              ステップ1-「食品安全」の呼びかけに向けた年間計画を立て、ビジョンとロードマップのアニメーションを作成

              ステップ2-現場に赴き担当者に会い、相互理解と信頼に基づく関係を構築

              ステップ3-食品安全に関わる定期イベントを行い(2年ごとに)、担当者がそれぞれ顔を合わせ、経験を共有し、自分たちで次のグローバル・ロードマップの作成を開始

食品安全の向上の旅には終わりがありません。この最後のステップは非常に重要で、これが次へ進む土台になります。現場のネットワークが食品安全に関する問題と関わることになれば、チームメンバーは優れたアイデアを思いつき、ベストプラクティスを培い、共有へとつながることもあります。食品安全文化」構築の影響を認識するうえで、次のロードマップの草案作成のための業務担当者の任命に、社内インセンティブまたは課題を活用できます。

それにしても、なぜ食品安全文化のみを重視するのでしょうか。今日の企業は、コンプライアンス要件が食品の安全性やそれに劣らぬ重要項目以上を求める世界で事業を展開しています。健康と安全、環境、そして品質、すべては「文化クラブ」の一部を形成しています。先にあげた3本の柱が示す原則は、自社の組織文化全体を改善したいと考えている企業すべてにあてはまります。

2019世界食品安全会議では、世界中の食品産業のプロフェッショナルがこのトピックに関する洞察を共有します。経験と実例に基づいて、業界で食品安全文化を向上させるビジョンを語ってくれるでしょう。食品安全というテーマ以上の何かをお伝えできれば幸甚です。

 


Julie Varin本ブログはこちらの方にご執筆、ご寄稿いただきました。

Julie Varin氏
ビューローベリタス
食品サービス&リテールサービス・マネージャー