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昨今、テクノロジーの進歩は食品業界にも波及し、よりコストを低減しながら食品サプライチェーンをより効果的に管理し、消費者の嗜好やフィードバックを把握することが急速に進んでいます。このデジタルテクノロジーによって食品サプライチェーンがどのように変化していくのか、食の安全と持続可能性にどのような影響を与えるのかを考察したいと思います。

デジタリゼーション、第4次産業革命、インダストリー4.0等、新しいテクノロジーの到来によって我々は従来の認識を刷新されることになるでしょう。すでにいくつかの新しい技術の組み合わせによって、業界全体を巻き込みながら、これまでの手法に変化を与えています。我々は、この潮流に対してどのように考えて対応していくべきでしょうか。

 
Quotation markデジタルテクノロジーは、食品サプライチェーンを劇的に変え、より安全で、持続可能なものになると私は考えています。
 

 

3つ例を挙げてご説明致します。

意思決定を可能にするビッグデータ解析

Advanced Analytics in Aquaculture Image

まず、Internet of Things(IoT)や高精度センサーによる技術革新。これらを使うことで、これまで以上に情報を大量に継続的にしかも正確に収集することができます。一方、クラウドソリューションにデータを保存するコストが削減され、膨大な量のデータを分析することができるようになります。例えば、水産養殖の現場で、水質・濃度センサーを使って、生物学的プロセスのデータをモニタリング・蓄積し、データ分析を通じて高品質の管理環境を構築していくことで、魚の健康と魚の繁殖の改善、死亡率の減少、飼料効率の改善、およびより持続可能な水産物の生産に寄与できることに繋がるでしょう。

さらに、IoTは、食品飲料業界で、生鮮商品や製品をバリューチェーンを通じて監視し、その情報を消費者のテーブルで安全かつ持続可能な製品を確保するために使用することが可能です。バリューチェーンを担う企業は自組織をこのような新しいテクノロジーによって変革することを目指すべきです。

消費者との直接的なコミュニケーション

第2に、食品企業に向けたブロックチェーンの活用です。ブロックチェーン技術は、全ての取引に対して、信頼性の高い環境を確立することで、購買時に情報を消費者に直接伝達することを可能にします。このようなデジタルアシュアランスは、情報を信頼できるものにするとともに、偽造品や食品偽装に対しての効果的な解決法を提供することが可能になります。

Consumer and e retail

例えば、コンビニエンスストアやスーパーで売られる中食と呼ばれる形態があります。食品から消費者までのサプライチェーン全体の製品の温度情報を記録し、ブロックチェーン化することで、貯蔵期間の長期化、チェーン全体の品質改善および食品廃棄物の削減に寄与することが可能です。また、この情報を消費者に開示することで、逆に消費者自身が当該サプライチェーンが信用に足るものかどうかを知ることも可能になるでしょう。センサーとブロックチェーン技術を組み合わせることで、従来の方法と差別化が可能になり、無駄を省いた効率的な運用が実現できることになるのです。

サプライチェーン・ネットワーク・オープンイノベーション

第3に、食品産業におけるプラットフォーム化によってサプライチェーン全体が変化していきます。消費者が直接購入に価値を感じ、それが実現されるようになると、消費者と生産者を直接結び付けることになり、小売業者に影響を与える可能性があります。多くの種類の製品と生産者が低コストでこういったプラットフォームを利用できること(食品産業のeビジネス化)で、取引コストが下がり、個々消費者の影響力を高める可能性をもっています。加えて、プラットフォームやそれを取り巻くソーシャルメディアが伸長することで、製品開発に直接顧客を関与するような仕組みへと繋がり、開かれたイノベーションの機会を創出します。企業はこういった顧客指向を追求することでブランド価値向上へと密接に繋がっていくことになるでしょう。

GFSI Tomato

昨年、私の食品購入の多くは、スマートフォン上のアプリを使ってでした。適宜配信される情報によって購入した商品の多くは、安心安全が信頼できる情報として付与されたものでした。このような「食品産業のプラットフォーム化」の流れが今後大きくなっていく時、企業はどのように対応していくべきでしょうか。近い将来、これまでの食品サプライチェーンの形がなくなり、デジタル技術を駆使しインタラクティブで高精度な分析を伴った時代が来るのかもしれません。その時、御社の業務がどのように影響を受けることになるでしょうか。

私がデジタルテクノロジーについて楽観的すぎる、と感じる方おられるかもしれません。食品のサプライチェーンは決してデジタル化されず、我々食品産業は他の産業とは違うのだと認識されているかもしれません。

ここにビル・ゲイツ氏の言葉「The Road Ahead」(1996年)を引用したいと思います。「私たちは、今後2年間に起こる変化を常に過大評価し、今後10年間に起こる変化を過小評価します。 あなたがた自身は、それに鈍感になってはいけません」

私は、今日利用可能なデジタルテクノロジーがいかにして、いかにして食品バリューチェーンを変えうると強く信じています。 これらの技術がどのように価値と信頼を創造し、活用することが、これからの企業の成長の鍵となります。

最後に、東京でのGFSIコンファレンスで皆様にお会いし、色々な議論ができることを楽しみにしております。

 


ingunn

この投稿の寄稿者:

Ingunn Midttun Godal
DNV GL ビジネス・アシュアランス
フード&ビバレッジ グローバルマネージャ
www.dnvgl.com